第36回日本SF大賞の受賞作品がこのほど発表された。大賞には谷甲州の『コロンビア・ゼロ 新・航空宇宙軍史』、森岡浩之の『突変』が決定した。前回に続きのダブル受賞で、近年のSF小説の活況を感じさせるものとなった。特別賞は牧野修の『月世界小説』、功労賞はSF小説のイラストレーションでも活躍した生頼範義が選ばれた。生頼範義は2015年秋に逝去しており、その追悼も込められてそうだ。第36回日本SF大賞は2014年9月1日から2015年8月31日までの一年間に発表された小説、映像作品ほかあらゆるメディアを対象として優秀作品を顕彰する。受賞作品の幅は広く、過去には押井守監督の『イノセンス』(第25回)、NHKにて放送されたアニメーターの磯光雄氏の初監督TVアニメ『電脳コイル』(第29回)なども受賞を果たしている。1980年より日本SF作家クラブが主催する。SF作家や編集者、翻訳家などの投票によって選ばれる。谷甲州は1951年生まれ。『終わりなき索敵』や『日本沈没 第二部』などの代表作がある。『コロンビア・ゼロ 新・航空宇宙軍史』は長大な宇宙SFシリーズを描く最新シリーズだ。森岡浩之は1962年生まれ。『夢の樹が接げたなら』でデビュー後、数々のヒット作を世に送り出す。アニメファンには「星界の紋章」シリーズの原作小説の著者としてもお馴染みだ。『突変』では関東の地方都市が突然異世界に転移することで起きるパニックを描いた。功績賞を受賞した生頼範義は数々の作品のイラストレーションを担当。SF小説のカバーイラストをはじめ、コーエー(現コーエーテクモ)から発売された『信長の野望』『三国志』『提督の決断』のパッケージイラストのほか、映画では『ゴジラ』シリーズや『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』、『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』の国際版ポスターなどのイラストを手がけた。生頼範義氏は昨年10月27日(満79歳没)に亡くなっているが、この受賞はSFファンだけでなく、ゲーム・アニメ・特撮のファンにとっても喜ばしいニュースとなったのではないだろうか。第36回日本SF大賞の贈賞式は4月22日に行われる予定、この期間に今回受賞した作品を読んで、現実では味わうことの出来ないSFの世界に意識を投じてみてはいかがだろうか。
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